【イスラエル】 新型コロナの新規陽性者・重症者数・死者数などの推移(2021年9月11日時点)

  イスラエル保健省がダッシュボードで報告している新型コロナの新規陽性者数・重症者数・死者数などをグラフ化しましたので紹介いたします。

  グラフ化の対象は「2021年9月11日まで」のものです。なお、イスラエルでは9月はユダヤ教の祝日が多いため、陽性者数が少なくなる傾向があることに留意する必要があります。


重症者数の推移

  『入院中の重症者数』はベネット首相が8月初旬に懸念した「800人」の水準は回避できそうな状況です。

  現状は8月下旬に到達した700人ほどで推移しており、最も悲観的なシナリオが現実のものにはなりませんでした。ただ、昨夏は400人台だったことを考えると胸を張ることはできないでしょう。

  また、昨年は(ユダヤ教の祝日が集中する)9月に感染拡大が加速。陽性者・重症者・死者が10月初旬にピーク時まで増加が続きました。

  したがって、去年と同じ轍を踏むことになるのかがイスラエルからの発表値に対する最大の注目点になるはずです。


死者数(7日間平均)の推移

  イスラエルから報告された『新型コロナによる死者数』も『入院中の重症者数』と同じ傾向を描いています。

  『新型コロナによる死者数の7日間平均』は昨夏は「15人弱」で推移していましたが、今夏は約2倍に相当する「25人強」に達しています。

  ただ、死者数も昨年は9月に入ってから急増しており、それとは逆の動きとなるかが注目点であることは明らかです。

  『入院中の重症者』が700人近くいる現状では『新型コロナによる死者数』が急減するとは考えられません。現状の死者数が維持されると予想されるものの、「昨年のように増加しなければ良い」と割り切れるかが鍵と言えるでしょう。


新規陽性者数と実効再生産数(7月21日〜9月11日)

  イスラエルでの新型コロナの新規陽性者数は9月初旬にピークを迎えた状況にあり、実効再生産数Rが「1」を下回る数値を記録しています。

  急激な減少は「9月6日からのユダヤ新年」で検査の絶対数が少なかったことが理由です。同時期はワクチン接種数も激減しているため、『週平均』を鵜呑みにすることができない1週間と言えるでしょう。

  ただ、平日と目される日での新規陽性者数は「1万人」と先週に記録した「1万人強」からは減っています。ここから再び増加することがなければ収束へと向かうことが期待できますし、今後の新規陽性者数が重要な指標になると思われます。


人口10万人あたりの週別新規陽性者・死者

  イスラエルの状況は国として比較した場合、同じく『ワクチン接種先進国』であるイギリスよりも深刻です。ただ、2021年6月から7月初旬にかけては「新規陽性者および死者の数値が極めて少ない状況」にあり、グラフの左下で図示されるほどの好成績でした。

  そのため、『該当の期間が調査対象となったワクチン接種効果を主張する論文』がワクチン接種推進派から発表・紹介されると予想されます。

  しかし、7月下旬以降にイスラエルから報告された新型コロナの症例数を確認すれば、上述の論文が「使い物になり得ない代物」との烙印を押されるのは当然です。また、その役割を怠るマスコミにも厳しい批判を浴びせなければならないはずです。