【大阪府】新型コロナの重症化率および死者数（2021年8月21日時点）

大阪府から報告された新型コロナ罹患による年齢別・重症化率や死者数をグラフ化しましたので紹介いたします。

2021年8月21日までに報告された「重症化率」、「新規重症者数」、「死者数」などは以下のとおりです。

新規陽性者に占める新規重症者から算出した『重症化率』は全体で1%。絶対数で最も多い50代は「3%弱」の水準です。

この重症化率は今年4月から5月にかけて感染が拡大したアルファ株と比較して「半分」です。

厚労省のアドバイザリーボードは「デルタ株の重症化率や致死率はアルファ株と同等」と発表していますが、大阪で示されたデータを踏まえると修正されるべきと言えるでしょう。

新規重症者は「1日あたり約15人」のペースで発生していますが、入院中の重症者数は15日の149名から21日の175名と「26名の増加」でした。

今週1週間に報告された新型コロナによる死者数は「60代以上の12名」ですから、現役世代は重症化しても回復が十分に見込めます。したがって、運動不足などで重症化しやすい体型になることを避けることが重要と言えるでしょう。

デルタ株の脅威がアルファ株よりも低いと言えそうなのは上記のような散布図に「週別新規陽性者数と重症化率」でプロットすると鮮明になるからです。

第4波（4月25日〜5月1日）
- 70代ー新規陽性者53.3人、重症化率10.56%
- 60代ー新規陽性者66.6人、重症化率8.37%
- 50代ー新規陽性者90.9人、重症化率4.98%
- 40代ー新規陽性者91.6人、重症化率1.5%
現時点（8月15日〜21日）
- 70代ー新規陽性者12.7人、重症化率3.39%
- 60代ー新規陽性者50.6人、重症化率4.29%
- 50代ー新規陽性者121.8人、重症化率2.57%
- 40代ー新規陽性者163人、重症化率1.59%

40代での重症化率は「アルファ株による感染が広がった第4波」と「デルタ株による第5波」で同じ水準ですが、50代以上では「デルタ株での重症化率はアルファ株の半分」です。

「『遅行指数である重症者数』を『現在の陽性者数』で割って重症化率を算出するのは不適切」と主張する人もいるでしょう。しかし、感染拡大が始まれば初期の段階で発症した人の中から重症者は出るのです。

“行き” の重症化率がアルファ株による感染が広がった際の数値を下回っているのですから、この統計的事実は認める必要があるはずです。数ヶ月前とは前提が変わっていることを認識した対応が必要なのではないでしょうか。