『盗用した他者のアイデア図面を自らの著作物』として発表した峰宗太郎氏の行為を同業者(=こびナビ副代表)が無理筋に擁護
『こびナビ』の副代表に名を連ねる峰宗太郎氏が「盗用」を指摘される事態となっています。
素人ならまだしも、研究者として盗用を指摘されることは問題です。この行為を峰氏と同じ『こびナビ』の副代表である木下喬弘氏が無理筋な擁護していることも問題と言わざるを得ないでしょう。
峰宗太郎氏の行った該当ツイート
峰氏が行ったツイートは以下のものです。
スイスチーズモデルで #新型コロナ 予防をしていきましょう!👶一つ一つの対策は完全・100%ではありません。組み合わせることで高い予防効果を狙いましょう。一つ一つにこだわりすぎず、しっかり対策を。#基本にもどろう pic.twitter.com/dKxxatBZvA
— 峰 宗太郎 (@minesoh) 2021年8月2日
『スイスチーズモデル』を用いて新型コロナ感染予防を訴えるツイートですが、問題となるは添付画像の右下にある「CC BY-NC-ND 4.0」の文言です。これは研究者としてあまりに致命的と言わざるを得ません。
峰氏のツイートに含まれている問題点
『スイスチーズモデル』は「峰氏のアイデアではない」
問題の根本的な部分は「『スイスチーズモデル』が峰氏のアイデアではないこと」です。これは峰氏が2021年1月に行ったツイートが証拠になります。
スイスチーズ式ウイルス感染防御対策👶
— 峰 宗太郎 (@minesoh) 2021年1月16日
バランスよく、プロテクトする壁をたくさん立てていきましょう。たんたんとやりましょう。
Ian M MacKay - https://t.co/qDHaQpWfwo, CC 表示 4.0, https://t.co/07PHPWjOxSによる pic.twitter.com/KOT4QzcFqQ
添付図の右下を確認しますと「(グレーで見にくいですが)Ian Mackay」とあります。
マッカイ教授はウイルス学者で『スイスチーズモデル』を2020年10月に「CC BY 4.0」のライセンスで公表しています。これを峰氏が『自らの著作物』として2021年8月に権利を主張しているのですから、問題視されるのは必然でしょう。
『CC』は『CC ライセンス』のこと
この「CC」とは「Creative Commons」のことで「著作物の適正な再利用の促進を目的」に活動する非営利団体が行っているプロジェクトの総称です。では『CC ライセンス』で記された中身を確認することにしましょう。
- マッカイ教授(CC BY 4.0)
- 2020年10月
- 原作のクレジット表示を主条件
- 改変・営利目的での二次利用も可
- 峰宗太郎氏(CC BY-NC-ND 4.0)
- 2021年7月末
- BY: 原作のクレジット表示
- NC: 非営利目的
- ND: 元の作品の改変禁止
- 上述3要件を満たすなら、自由に配布可
要するに、峰氏は「『マッカイ教授がクレジット表記を条件に発表したスイスチーズモデル』を『自らの発案』としてライセンス上の権利を主張している」のです。この行為は研究者として厳しい批判を浴びせられるべきでしょう。
また、峰宗太郎氏の発表した『スイスチーズモデル』を確認すると右下にあるのは「CC BY-NC-NO 4.0」となっていることも問題です。
そもそも、『CC ライセンス』に『NO』の項目はありません。改変禁止を定めた項目は「No Derivative Works」ですから『ND』と表記しなければなりません。峰氏の “パクリ資料” は「質的にも残念なレベル」と見なされるリスクが含まれています。
木下喬弘氏による無理筋な擁護
峰氏が発表した資料に盗用の指摘が起きたことに対し、こびナビで峰氏と同じ副代表を務める木下喬弘氏が「図が引用かどうかという議論になるべき」とのツイートで擁護を試みています。
ですから、図が引用かどうかという議論になるべきで、スイスチーズモデル自体はライセンスではないです。
— 手を洗う救急医Taka(木下喬弘) (@mph_for_doctors) 2021年8月8日
先生のご指摘が前提としている、「その著作をみて本質的な特徴を引き継ぎ翻訳した」と断言できるかという問題です。
Googleでスイスチーズモデルと調べたらかなり色々出てきますよ。 https://t.co/77p3mjUVvD pic.twitter.com/alykn0tSb5
しかし、この擁護は無理筋です。なぜなら、峰氏の行為は著作権法による引用の基準を満たしていないからです。
まず、『スイスチーズモデルのアイデア』は著作権の対象外です。これは「頭の中にあるアイデアは著作物とは言えない」からが理由です。しかし、『スイスチーズモデルのアイデアを図示した発表物』は紛れもない著作物です。
したがって、「峰氏の行為は著作権法で例外規定として定められた “適切な引用” を満たすか」が焦点になるのですが、引用先の情報を消している時点でアウトと判断せざるを得ません。
論文を執筆しているはずの研究者として今回の行為は明らかに一線を踏み越えてしまっています。
『こびナビ』の内部から問題行為への批判の声が出ないなら、『こびナビ』の全関係者が「同じ穴の狢」と見なされることになります。今後の対応が重要なのではないでしょうか。