東京都から報告された重症者数の推移(2021年8月3日時点)

  東京都から報告されている(都基準での)新型コロナ重症者数の推移をグラフ化しましたので紹介いたします。入院中の週別重症者数は下図のとおりです。

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  40代・50代での入院中重症者数が増え、60代・70代の入院中重症者数は横ばいでした。これらが全体の重症者数を押し上げる要因となっています。


寸評

  入院中の重症者数は「40代と50代で増加」を見せています。東京都は新規重症者数を公表していないため重症化率の算出はできません。

  ただ、重症化率は第4波の際に大阪府で報告された「40代:2.5%、50代:5%」ほどでも不思議ではないでしょう。そのぐらいの増加を見せているからです。

  一方で60代以上の重症者は「横ばい」です。西浦氏は「減少」を予測していましたが、これは間違いであることが示されています。

  『陽性反応者』と『入院中の重症者数』は増加していますが、欧米での指標となっている『死者数』は増加は起きていません。“ワクチン接種先進国” でも『陽性反応者』は日本を上回る水準です。

  したがって、時代遅れとなった「『陽性反応者数』が『死者数』の先行指標」との主張と政治が決別できるかが今後の課題となるでしょう。


年齢別重症者数の推移

  東京都が発表している在院中の年齢別重症者数の推移は以下のとおりです。

  50代の数値が増えており、「50代の入院中の重症者数がどこで横ばいになるのか」が今後の注目点になるでしょう。回復は高齢者よりも早いため、『50代の陽性者数』がどのぐらい増え続けるのかが先行指標になるはずです。

  一部の医師や専門家の主張に便乗する形で「20代や30代」に責任転嫁しようとする声もありますが、『入院中の重症者数』を確認すれば過剰に煽ることは逆効果にしかなりません。

  30代以下の重症者数は10人にも満たない水準です。彼らは “天然ワクチン” で集団免疫の達成に貢献してくれているのですから、陽性反応を示した若者には「お大事に」と気遣うべきでしょう。


死亡日別・死者数の推移

  なお、東京都から報告された『死亡日別の死者』は以下のとおりです。

  死者は『発表日別』で見ると「10名にも満たない水準」ですし、『死亡日別』では「5名にも達しない水準」です。また、死者は(60代以上の)高齢者に固まっていますから、若者の死亡リスクばかりを強調することは自重すべきでしょう。