【南アフリカ】 新型コロナの新規陽性者・死者数・ワクチン接種率の推移(2021年12月4日時点)

  南アフリカから発表された新型コロナによる『新規陽性者数』や『死者数』をグラフ化しましたので紹介いたします。期間は「2021年12月4日まで」です。

  オミクロン株の感染拡大で『新規陽性者数』は急増しているものの『死者数』は低水準のままです。その理由を「ワクチン接種」と主張する人は「接種率が 50% 強」の現実を直視すべきでしょう。


南アフリカでの新型コロナの感染状況

2021年6月・7月の感染状況(≒デルタ株)

  南アフリカは今年6月から8月に『デルタ株』による感染拡大に見舞われました。

  その際、最大都市ヨハネスブルグや首都プレトリアのある(人口が約1400万人の)ハウテン州では『新規陽性者数』は「1日あたり1万人強」を記録。『死者数』は「1日あたり150人前後」で推移しました。

  したがって、『オミクロン株』がどれだけの脅威を有しているかは「『デルタ株』で記録した被害と比べてどうか」が指標になるでしょう。

2021年10月中旬以降の感染状況(≒オミクロン株)

  現在の南アフリカでは『オミクロン株』が原因と思われる新型コロナの感染拡大が発生しています。

  ハウテン州での『新規陽性者数』は「1日あたり1万人超」となっており、『オミクロン株の感染力』が『デルタ株』を超えるのは間違いないでしょう。しかし、毒性は低下していることが濃厚です。

  理由は「ハウテン州での『死者数』が “1日あたり10人ほど” と『デルタ株』の流行時とは比較にならないほど少ないから」です。

  「ワクチン接種の効果で死者が抑えられている」と主張する人もいるでしょう。

  ただ、南アフリカの高齢者層でのワクチン接種率は「50% 強」です。それを「死者数が 90% も減った根拠」にするのは流石に無理があります。


ワクチン接種状況(南アフリカ・ハウテン州)

  南アフリカでの新型コロナワクチンの接種状況は当局が公表しています。

  ダッシュボードの7ページ目にある『年齢・性別ごとの個人接種状況』からハウテン(Gauteng)州の状況を選択すると、上述のグラフに用いた数値を確認することが可能です。

  『デルタ株』による拡大が深刻だった2021年7月1日時点でのワクチン接種率は「どの年齢・性別でも 10% 未満」でしたが、同年11月1日の時点では「60歳以上は男女ともに 50%」となっています。

  「ワクチンが重症化(や死者)を防いでいる」としても、その効果を得られるのは「最大でも全体の半数」です。この事実を無視するようでは「非科学的」との批判は免れないでしょう。



  なお、南アフリカは “南半球” に位置する国であるため「6月が冬で12月が夏」です。「現地は夏だから死者が少ない」との主張は可能ですが、「季節性の効果はワクチンよりも高い」との反論要素を提供することになります。

  『ワクチン神話』にとっては厳しい現実が突き付けられていますが、一般庶民にとっては「新型コロナが普通の風邪に変貌した」と言える状況になりつつあります。今後の状況を注視する価値はありますが、「煽りは不要」と言えるでしょう。