航空業界の国際団体が「日本と中国はコロナ対策で行なっている入国制限を撤廃せよ」と名指し批判

  国際航空運送協会(IATA)のウォルシュ事務総長が日本政府や中国政府に対して「コロナ対策の入国制限を撤廃すべき」と名指しで批判したと日経新聞が報じています。

  航空業界が人や物が移動することで収益を得ている事業であり、『移動を妨げる政策』を継続することは業界にとってマイナスです。

  日本政府が『鎖国政策』を継続するのであれば、国際線の利害調整で日本の航空会社が不利益を被っても止むを得ないでしょう。


「人の往来を再開させる明確なプランはあるのか」と批判

  ウォルシュ事務総長による指摘は以下のとおりです。

  世界の航空会社が加盟する国際航空運送協会(IATA)のウィリー・ウォルシュ事務総長は17日、日本政府に対して新型コロナウイルス対策の入国制限を撤廃するよう求めた。各国がコロナ規制を相次ぎ緩和・解除する中で、日本と中国は依然として厳しい水際規制を敷いている。国境を閉じ続けることは回復の足かせになるとして両国を名指しで批判した。
  (中略)
  ウォルシュ氏は日本について「渡航を許可する段階的措置を取っているが、全ての観光客や渡航者への再開に向けた明確なプランがない」と指摘した。

  岸田政権は「入国制限を段階的に緩和している」と主張していますが、実際の入国者数はコロナ前と比較すると “雀の涙” ほどです。

  入国制限が撤廃されたとしても、人の往来が『以前の水準』にまで即座に回復する保証はないのです。ただ、厳しい水際規則が敷かれ続けるほど「往来のニーズ」は失われるため、業界として懸念を行明したのでしょう。


航空業界は「人や物が移動することで収益を得る事業」

  日本政府観光局が発表している『月別・年別統計データ(訪日外国人・出国日本人)』から、月別の訪日外国人客数をグラフ化したものが以下です。

  「2022年4月の訪日外国人数は10万人を超えた」と報じるメディアがありましたが、コロナ前の訪日外国人数は「1ヶ月に約250万人」だったのです。

  2022年4月の現状はコロナ前と比較して -95% なのです。

  航空業界団体から不満が出るのは当然ですし、「インバウンド旅行客による波及効果を捨てる『コロナ対策』で何を得たのか」は厳格に査定されるべきでしょう。(訪日外国人消費動向調査

  『コロナ対策』による経済への影響を踏まえた費用対効果がプラスであったことを示せないなら、専門家を即刻解任した上で『コロナ対策への補助金拠出』を止めることが政府の責務なのではないでしょうか。